自宅サーバーにVPNで繋いでClaushを使う方法

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シリーズ:iPhoneだけで開発する環境構築


はじめに

VPSを使わずに、自宅にあるPCやMacをサーバーとして活用する方法もある。自宅サーバー+VPNという構成なら、月額費用がかからず、手元のマシンをそのまま開発環境として使える。

必要なスペックはVPS記事と同様、Claude Code自体はほぼリソースを使わない。自宅サーバーは自分専用のマシンのため、何を動かすかによって必要なスペックは変わるが、Webサイト管理やファイル編集程度であれば古いPCでも十分だ。


自宅サーバーに使えるハードウェア

ハードウェア特徴
余っているPC・Mac手軽に始められる
Raspberry Pi 5省電力・静音。軽い作業なら十分
古いノートPC電力消費が低め。常時稼働に向いている
NAS(Synology等)Docker対応モデルならClaude Codeも動作可能

なぜVPNが必要なのか

自宅サーバーは通常、自宅のローカルネットワーク内にある。外出先のiPhoneからアクセスするには、インターネット経由でつなぐ方法が必要だ。

方法は主に2つ:

方法概要セキュリティ
ポート開放(SSH直接公開)ルーターのポートを開けてSSH接続△ 危険。推奨しない
VPNVPNトンネル経由でローカルネットワークに接続◎ 安全

ポートを直接インターネットに公開するのはセキュリティリスクが高い。VPNを使うのが正しい選択だ。


VPNの3つの選択肢

VPN接続の方法は大きく3つある。環境や好みに合わせて選ぼう。

選択肢1:ルーター内蔵VPN(最も手軽)

多くの家庭用ルーター(Buffalo・NEC・ASUS等)にはVPNサーバー機能が内蔵されている。対応ルーターであれば、自宅サーバー側に何もインストールせずにVPN環境が作れる。

  • ルーターの管理画面でVPNサーバー(L2TP/IPSec またはIKEv2)を有効化
  • iPhoneの「設定 → 一般 → VPN」から接続情報を入力するだけ
  • アプリ不要で完結するため、最もシンプルな方法

選択肢2:Tailscale(設定が最も簡単なアプリ)

Tailscaleはアカウント登録だけでP2P接続できるVPNサービス。

# 自宅サーバーにインストール
curl -fsSL https://tailscale.com/install.sh | sh
sudo tailscale up

iPhoneにTailscaleアプリを入れてログインするだけ。ルーターの設定不要で、どこからでも繋がる。

選択肢3:WireGuard(自由度が高い)

WireGuardは高速・軽量なVPNプロトコル。より細かく設定したい場合に向いている。

# 自宅サーバーにインストール(Ubuntu/Debian)
sudo apt update && sudo apt install wireguard -y

iPhoneにはWireGuardの公式アプリがあり、QRコードで設定をインポートできる。ルーターのUDP 51820番ポートを開放する必要がある。


ClaushでSSH接続する

VPN接続後、Claushのサーバー設定でホスト名に自宅サーバーのローカルIPアドレス(例:192.168.1.10)またはTailscaleが割り当てたIPアドレスを入力すればOK。あとは通常のVPSと同じように使える。


注意点

固定IPが必要(ルーターVPN・WireGuardの場合)

自宅の回線はIPアドレスが変わることがある(動的IP)。DDNSサービス(無料のDuck DNS等)を使って、ドメイン名でアクセスできるようにしておくと便利だ。Tailscaleを使う場合はこの問題が不要。

常時稼働のコスト

自宅サーバーは電源を切れない。電気代がかかる点は考慮しておこう。Raspberry Piなら月数百円程度で済む。

自宅回線の速度

ClaushのSSHはテキストのやり取りがメインなので、一般的な光回線なら問題ない。


まとめ

内容
向いている人余っているPCがある・月額費用を抑えたい
向いていない人設定が面倒な人・VPSの手軽さを重視する人
最も手軽な方法ルーター内蔵VPN+iPhoneのVPN設定
アプリで手軽な方法Tailscale
コスト電気代のみ(Raspberry Piなら月数百円)

次回の第3回では、VPSと自宅サーバーをコスト・手軽さ・スペックの観点で徹底比較する。


この記事はシリーズの第2回です。第1回:VPS選びもあわせてご覧ください。